ITコンサルとして働いていると、一度は「事業会社に転職するのもありかな」と考えたことがある人は多いと思います。
クライアントワークに疲れた。
毎回違う案件に入るのがしんどい。
もっと自社の事業に腰を据えて関わりたい。
働き方を少し落ち着かせたい。
こう考えると、事業会社のIT企画、DX推進、社内SE、PMといったポジションはかなり魅力的に見えます。
僕自身もITコンサルとして働く中で、クライアントに詰められたり、要件が変わり続けたり、炎上気味の案件に入ったりすると、
この働き方をずっと続けるのはきついな
と思う瞬間があります。
一方で、ITコンサルから事業会社への転職は、良い面ばかりではありません。
年収が下がる可能性もありますし、意思決定の遅さや社内調整の多さにギャップを感じることもあります。
この記事では、ITコンサルから事業会社へ転職するメリット・デメリット、向いている人、後悔しやすい人、転職前にやるべきことを解説します。
いきなり転職をすすめる記事ではありません。
「事業会社に行けば楽になる」と決めつけるのではなく、自分に合う選択肢なのかを冷静に判断するための記事です。
ITコンサルから事業会社へ転職する人は多い
ITコンサルから事業会社へ転職する人は珍しくありません。
特に20代後半〜30代前半になると、今後の働き方やキャリアを考えて、事業会社を選択肢に入れる人が増えてきます。
クライアントワークに疲れて事業会社を考える人は多い
ITコンサルの仕事は、基本的にクライアントありきです。
クライアントの課題を整理し、提案し、プロジェクトを進め、成果を出すことが求められます。
もちろん、やりがいはあります。
ただ、クライアントワークは精神的な負荷も大きいです。
- 急な依頼が飛んでくる
- 要件が途中で変わる
- 関係者の意見がまとまらない
- 高い期待値を背負う
- 厳しい指摘を受ける
- 常に外部の立場として成果を求められる
こうした環境が続くと、だんだん疲れてきます。
特に炎上案件に入ったときは、朝から晩まで課題対応に追われ、土日も頭の片隅に仕事が残ることがあります。
そうなると、
もっと腰を据えて自社の事業に関わりたい
外部支援ではなく、中の人として働きたい
と感じるのは自然です。
IT企画・DX推進・社内SEは相性がいい
ITコンサルから事業会社に転職する場合、相性がいいのは以下のような職種です。
- IT企画
- DX推進
- 社内SE
- 情報システム部門
- PM・PMO
- 業務改革
- 事業企画
- BizOps
ITコンサルで培った、課題整理力、プロジェクト推進力、システム導入経験、関係者調整力は、事業会社でも活かしやすいです。
特に、事業会社側では「ITと業務の橋渡し」ができる人材が求められます。
エンジニアほど深く実装するわけではないけれど、業務もシステムも理解して、関係者を巻き込みながら前に進められる人。
この役割は、ITコンサル経験者とかなり相性が良いです。
ただし「楽そう」だけで選ぶと後悔しやすい
一方で、注意点もあります。
事業会社への転職を「コンサルより楽そう」という理由だけで選ぶと、後悔する可能性があります。
たしかに、クライアントワークから離れられる可能性はあります。
ただ、事業会社には事業会社の大変さがあります。
- 社内調整が多い
- 意思決定が遅い
- 部署間の利害調整が必要
- 経営層と現場の板挟みになる
- 予算や人員の制約が大きい
- コンサル時代ほどスピード感がない
外部の立場ではなく、今度は社内の一員として動くことになります。
そのため、「事業会社=楽」と考えるよりも、ストレスの種類が変わると考えたほうが現実に近いです。
ITコンサルから事業会社へ転職するメリット
ここからは、ITコンサルから事業会社へ転職するメリットを解説します。
自社の事業に深く関われる
事業会社に転職する大きなメリットは、自社の事業に深く関われることです。
ITコンサルの場合、基本的には外部支援の立場です。
プロジェクト期間中は深く関わりますが、最終的にはクライアントの会社を離れます。
一方で、事業会社では自社のサービス、業務、顧客、組織に継続的に関わることができます。
自分が関わったシステムや業務改善が、その後どう使われるのかも見えやすいです。
これは、コンサル時代には感じにくい面白さだと思います。
「提案して終わり」ではなく、「実際に事業を変えていく側」に回れるのは、事業会社ならではの魅力です。
クライアントワークから離れられる
クライアントワークに疲れている人にとっては、これも大きなメリットです。
ITコンサルは、常に外部の立場として価値を出す必要があります。
クライアントからお金をもらっている以上、期待値も高いです。
そのため、会議ひとつ、資料ひとつ、発言ひとつにもプレッシャーがあります。
事業会社に転職すると、外部クライアントではなく、社内の関係者と仕事を進めることが中心になります。
もちろん社内調整は大変です。
ただ、外部の立場で常に評価され続けるプレッシャーからは、少し離れやすくなります。
働き方が安定しやすい
事業会社は、コンサルファームと比べると働き方が安定しやすいケースがあります。
もちろん会社や部署によりますが、少なくともプロジェクト単位で働き方が大きく変わる「案件ガチャ」は減りやすいです。
ITコンサルでは、案件によって働き方がかなり変わります。
- 落ち着いた案件
- 炎上案件
- クライアントが厳しい案件
- チーム体制が薄い案件
- 毎日会議だらけの案件
どこに入るかで、生活リズムもストレスも変わります。
事業会社では、担当業務や組織が比較的固定されるため、生活の見通しは立てやすくなる可能性があります。
長期視点でシステムや業務改善に関われる
ITコンサルの仕事は、プロジェクト期間が決まっていることが多いです。
要件定義、設計、導入、運用定着など、一定のフェーズが終わると次の案件に移ります。
一方で、事業会社では長期的にシステムや業務改善に関われます。
- 導入後に現場でどう使われているか
- 改善すべき業務は何か
- 次にどんな投資をするべきか
- 中長期でIT戦略をどう作るか
こうしたテーマに継続的に関われるのは、事業会社の魅力です。
短期で成果を出すコンサルとは違い、長期で事業や組織を良くしていく感覚があります。
コンサル経験を活かしやすい
ITコンサル経験は、事業会社でもかなり活かせます。
特に以下の経験は評価されやすいです。
- 要件定義
- 業務整理
- システム導入
- PMO
- ベンダーコントロール
- 課題管理
- 会議体運営
- 経営層向け資料作成
- 部門間調整
- DX推進
- SAPなどのERP導入経験
事業会社では、ITと業務をつなげられる人が不足しがちです。
エンジニアと現場部門、経営層とIT部門、ベンダーと社内ユーザーの間に立てる人は重宝されます。
ITコンサルとして「しんどい」と感じていた調整力や資料作成力も、事業会社では強みになる可能性があります。
いきなり転職する必要はありません。
ただ、ITコンサル経験が事業会社でどれくらい評価されるのか、年収がどの程度になりそうかを知っておくだけでも、判断しやすくなります。
事業会社への転職を考えている人は、IT・コンサル領域に強い転職サービスで一度市場価値を確認しておくのがおすすめです。
ITコンサルから事業会社へ転職するデメリット
次に、事業会社へ転職するデメリットも見ていきます。
ここを理解せずに転職すると、入社後にギャップを感じやすいです。
年収が下がる可能性がある
一番大きなデメリットは、年収が下がる可能性があることです。
ITコンサルは、比較的年収水準が高い職種です。
そのため、事業会社に転職すると、同じ年齢でも年収が下がるケースがあります。
特に注意したいのは、以下のような転職です。
- 大手コンサルから中小企業の情シスへ転職する
- ハイクラス求人ではなく一般求人で探す
- 未経験扱いで職種を変える
- 年収レンジを確認せずに応募する
- ワークライフバランスだけを重視する
もちろん、すべての事業会社で年収が下がるわけではありません。
大手企業、メガベンチャー、外資系企業、IT投資に積極的な企業であれば、年収を維持できる可能性もあります。
ただし、年収を下げたくない人は、求人選びにかなり注意が必要です。
関連記事:
ITコンサルを辞めたいけど年収を下げたくない人の転職戦略
意思決定が遅く感じることがある
事業会社では、意思決定が遅く感じることがあります。
コンサル時代は、論点を整理して、資料を作って、打ち手を提案して、前に進めることが求められます。
もちろん簡単ではありませんが、スピード感はあります。
一方で事業会社では、関係者が多く、意思決定に時間がかかることがあります。
- 現場部門
- IT部門
- 経営企画
- 財務
- 法務
- 情報セキュリティ
- 役員
- 外部ベンダー
こうした関係者の合意を取りながら進める必要があります。
「正しいことを言えば進む」というより、「関係者を巻き込みながら少しずつ進める」感覚に近いです。
コンサルのスピード感に慣れている人ほど、最初はもどかしさを感じるかもしれません。
社内調整が想像以上に多い
事業会社では、社内調整がかなり多いです。
クライアントワークから離れられる一方で、今度は社内の関係者との調整が増えます。
たとえば、DX推進やIT企画の仕事では、
- 現場部門の要望を聞く
- 経営層に説明する
- IT部門と実現方法を調整する
- ベンダーと見積もりやスケジュールを詰める
- 予算を取る
- セキュリティ部門と調整する
- 導入後の運用部門と合意する
といった動きが必要になります。
ITコンサル時代も調整は多いですが、事業会社では「社内政治」や「部署ごとの利害」がより見えやすくなります。
ここにストレスを感じる人もいます。
成長スピードが落ちたように感じることがある
ITコンサルは、良くも悪くも成長圧力が強い環境です。
短期間で新しい業界やシステムを理解し、資料を作り、クライアントと議論し、成果を出すことが求められます。
その分、負荷は高いですが、成長実感も得やすいです。
一方で、事業会社に行くと、成長スピードが落ちたように感じる人もいます。
- 案件の切り替わりが少ない
- 新しいテーマに触れる機会が減る
- 周囲の成長意欲がコンサルほど高くない
- 昇進や評価のスピードがゆるやか
- 仕事の範囲が固定されやすい
もちろん、これは会社によります。
成長企業やDXに本気で投資している会社なら、かなりチャレンジングな環境もあります。
ただ、コンサル時代のような高負荷・高成長の環境を期待していると、ギャップを感じる可能性があります。
コンサル時代の当たり前が通じないことがある
ITコンサルから事業会社に転職すると、コンサル時代の当たり前が通じないことがあります。
たとえば、
- 資料の粒度
- 会議の進め方
- 意思決定のスピード
- 論点整理の文化
- 課題管理のやり方
- 仕事への熱量
- 成果に対する基準
これらが違います。
コンサル時代の感覚で、
なぜこれが進まないんだろう
なぜここまで整理されていないんだろう
なぜ意思決定にこんなに時間がかかるんだろう
と思う場面もあるかもしれません。
ただ、事業会社には事業会社の事情があります。
現場の忙しさ、予算制約、組織構造、過去の経緯、人間関係など、外から見えにくい背景があります。
そこを理解せずにコンサル目線だけで動くと、社内で浮いてしまう可能性があります。
事業会社で狙いやすい職種
ITコンサルから事業会社へ転職する場合、どの職種を狙うかが重要です。
ここでは、相性の良い職種を紹介します。
IT企画
IT企画は、ITコンサル経験者とかなり相性が良い職種です。
主な役割は、会社全体のIT戦略やシステム企画を考えることです。
たとえば、
- 基幹システム刷新
- 業務システム導入
- IT投資計画
- ベンダー選定
- システム構想策定
- 業務部門との要件整理
などを担当します。
ITコンサルで要件定義やシステム導入を経験している人は、かなり活かしやすいです。
特に、経営層や現場部門と会話しながらIT施策を進める力は評価されやすいです。
DX推進
DX推進も、ITコンサルからの転職先として人気があります。
DX推進では、単にシステムを導入するだけではなく、業務や組織の変革まで関わることが多いです。
ITコンサルで培った、
- 業務理解
- 課題整理
- システム導入
- プロジェクト推進
- 関係者調整
が活かせます。
ただし、DX推進は会社によって実態がかなり違います。
本気で変革を進めている会社もあれば、名前だけDXで実態は既存システムの保守に近いケースもあります。
求人を見るときは、具体的なミッションや経営の本気度を確認したほうがいいです。
社内SE
社内SEも候補になります。
社内SEは、自社のシステム企画、導入、運用、保守、ベンダー管理などを担当します。
ITコンサルから社内SEに転職すると、クライアントワークから離れ、自社向けの仕事に集中しやすくなります。
ただし、社内SEは企業によって仕事内容がかなり違います。
- 戦略寄りの社内SE
- 企画・導入メインの社内SE
- 運用保守メインの社内SE
- ヘルプデスク寄りの社内SE
- ベンダー管理中心の社内SE
同じ社内SEでも、業務内容も年収も大きく変わります。
ITコンサル経験を活かしたいなら、単なる運用保守ではなく、企画・導入・改善に関われるポジションを選ぶのがおすすめです。
PM・PMO
事業会社側のPM・PMOも相性が良いです。
ITコンサルとしてプロジェクト管理や課題管理、会議運営をしていた人は、その経験をそのまま活かしやすいです。
事業会社のPM・PMOでは、社内外の関係者を巻き込みながらプロジェクトを進めます。
- システム導入
- 業務改革
- 基幹システム刷新
- ベンダーコントロール
- プロジェクト計画
- 進捗・課題管理
こうした経験がある人は評価されやすいです。
ただし、PM・PMOは責任も重く、案件によっては忙しくなることもあります。
働き方を落ち着かせたい人は、業務範囲や残業時間を事前に確認したほうがいいです。
情報システム部門
情報システム部門も転職先のひとつです。
ただし、先ほどの社内SEと同じく、企業によって役割がかなり違います。
大手企業の情報システム部門では、IT戦略、基幹システム、セキュリティ、インフラ、業務改善など幅広く関われることがあります。
一方で、企業によっては、PC管理や問い合わせ対応が中心になることもあります。
ITコンサル経験を活かすなら、情報システム部門の中でも、
- IT企画
- システム導入
- 業務改革
- DX推進
- ベンダー管理
に関われるポジションを狙うのが良いです。
事業企画・BizOps
少しビジネス寄りに行きたい人は、事業企画やBizOpsも候補になります。
BizOpsは、事業運営をデータや仕組みで改善していく役割です。
ITコンサルで培った、
- 課題整理
- 業務改善
- データ分析
- 関係者調整
- 施策推進
を活かしやすいです。
ただし、事業企画やBizOpsは、ITコンサル経験だけでなく、事業理解や数値管理の経験も求められます。
未経験でいきなり転職する場合は、職務経歴書でどう経験をつなげて見せるかが重要です。
ITコンサルから事業会社へ転職するといっても、IT企画、DX推進、社内SE、PM、BizOpsなど選択肢は複数あります。
自分の経験だとどの職種が狙いやすいのか、年収を維持できそうかは、一度求人や市場価値を確認しておくと判断しやすいです。
ITコンサルから事業会社への転職が向いている人
では、どんな人が事業会社への転職に向いているのでしょうか。
クライアントワークに疲れた人
まず、クライアントワークに疲れた人です。
ITコンサルの仕事では、クライアントの期待に応え続ける必要があります。
それがやりがいになる人もいますが、負担に感じる人もいます。
- 外部の立場で常に成果を求められるのがきつい
- クライアント対応のプレッシャーが重い
- 毎回違う関係者と仕事をするのに疲れた
- もっと社内の人と長期的に仕事をしたい
こう感じるなら、事業会社は選択肢になります。
自社サービスや事業に関わりたい人
自社の事業に深く関わりたい人にも向いています。
ITコンサルは、さまざまな会社や業界を支援できます。
それは大きな魅力です。
ただ、外部支援である以上、事業の当事者になりきれないもどかしさもあります。
事業会社では、自社の売上、顧客、業務、組織に直接関わることができます。
自分が関わった施策の結果も見えやすいです。
「支援する側」から「事業を動かす側」に移りたい人には向いています。
働き方を少し落ち着かせたい人
働き方を少し落ち着かせたい人にも、事業会社は候補になります。
もちろん、事業会社でも忙しい部署はあります。
ただ、コンサルのように案件ごとに稼働が大きく変わる環境からは離れやすいです。
特に、
- 家族との時間を増やしたい
- 平日の夜に余裕がほしい
- 土日に仕事のことを考え続けたくない
- 長期的に無理なく働きたい
という人には、事業会社の働き方が合う可能性があります。
長期的に改善に関わりたい人
長期的に業務改善やシステム改善に関わりたい人にも向いています。
ITコンサルでは、プロジェクトが終わると次の案件に移ることが多いです。
でも事業会社では、導入後の改善や運用定着まで長く関われます。
- 使われるシステムを作りたい
- 現場に定着する仕組みを作りたい
- 長期で業務を良くしていきたい
- 一社の変化に深く関わりたい
こういう志向がある人には、事業会社は合いやすいです。
逆に事業会社への転職で後悔しやすい人
一方で、事業会社への転職が合わない人もいます。
年収を絶対に下げたくない人
年収を絶対に下げたくない人は、慎重に考えたほうがいいです。
ITコンサルから事業会社に転職すると、年収が下がる可能性があります。
もちろん、年収維持や年収アップを狙える求人もあります。
ただ、事業会社全体で見ると、コンサルファームほど年収レンジが高くない企業も多いです。
そのため、
年収は1円も下げたくない
という人は、事業会社だけでなく、別ファーム、外資系企業、メガベンチャー、ハイクラス求人なども含めて比較したほうがいいです。
関連記事:
ITコンサルを辞めたいけど年収を下げたくない人の転職戦略
スピード感を最重視する人
スピード感を最重視する人も、事業会社でギャップを感じる可能性があります。
事業会社では、良くも悪くも意思決定に時間がかかることがあります。
社内の合意形成、予算承認、部門間調整、リスク確認など、進めるために必要なプロセスが多いです。
コンサル時代のように、論点を整理してすぐに打ち手を進める感覚とは違う場合があります。
スピード感を求めるなら、事業会社の中でも、メガベンチャー、SaaS企業、成長企業などを検討したほうが合うかもしれません。
コンサル的な成長環境を求める人
コンサルファームのような高負荷・高成長環境を求める人も、事業会社では物足りなさを感じることがあります。
ITコンサルは大変ですが、その分、短期間で成長しやすい環境でもあります。
- 優秀な上司や同僚が多い
- 難易度の高い案件に入れる
- 常に成果を求められる
- 資料作成や論点整理の力が鍛えられる
- 経営層に近いテーマに関われる
こうした環境が好きな人にとっては、事業会社のペースがゆるく感じる可能性があります。
社内政治や調整が苦手な人
社内政治や調整が苦手な人も注意が必要です。
事業会社では、社内の利害関係を理解しながら進める力が求められます。
正論だけでは動かないこともあります。
- この部署は何を重視しているのか
- 誰を先に巻き込むべきか
- どの順番で合意を取るべきか
- 現場がなぜ反発しているのか
- 経営層にどう説明するべきか
こうした調整が多くなります。
コンサル時代とは違う意味で、泥臭さがあります。
ITコンサルから事業会社へ転職する前にやるべきこと
事業会社への転職を考えるなら、いきなり求人に応募する前に準備しておきたいことがあります。
転職理由を整理する
まずは、なぜ事業会社に行きたいのかを整理しましょう。
ここが曖昧なままだと、転職先選びを間違えやすいです。
たとえば、
- クライアントワークから離れたい
- 長時間労働を減らしたい
- 自社事業に関わりたい
- 年収は維持したい
- IT企画に挑戦したい
- DX推進に関わりたい
- コンサル以外のキャリアを作りたい
理由によって、選ぶべき会社や職種は変わります。
「なんとなく事業会社が良さそう」ではなく、何を変えたいのかを明確にすることが大切です。
年収の許容ラインを決める
次に、年収の許容ラインを決めましょう。
事業会社への転職では、年収が下がる可能性があります。
そのため、
- 絶対に現年収を維持したい
- 50万円までなら下がってもいい
- 100万円下がっても働き方が改善するならあり
- 中長期で上がるなら一時的なダウンは許容できる
といったラインを決めておくと判断しやすいです。
年収の基準が曖昧なまま転職活動をすると、求人を見るたびに迷います。
事前に自分の中で基準を決めておきましょう。
事業会社の職種ごとの違いを理解する
「事業会社」といっても、職種によって仕事内容は大きく違います。
IT企画と社内SEでは役割が違います。
DX推進と情報システム部門でも、期待されることは違います。
PMとBizOpsでも、求められるスキルは変わります。
そのため、事業会社に行きたい場合は、会社名だけでなく職種ごとの違いを理解することが大事です。
特に、求人票では以下を確認しましょう。
- ミッション
- 業務内容
- 関わる部署
- 裁量
- 使用するシステム
- プロジェクト規模
- 予算感
- 組織体制
- 残業時間
- 年収レンジ
「事業会社なら何でもいい」と考えると、ミスマッチになりやすいです。
自分の市場価値を確認する
ITコンサル経験が事業会社でどれくらい評価されるのかは、自分だけでは判断しにくいです。
自分では当たり前だと思っている経験が、事業会社では高く評価されることもあります。
逆に、コンサル内では評価されていた経験が、求人によっては伝わりにくいこともあります。
だからこそ、転職前に自分の市場価値を確認しておくことが大事です。
特に確認したいのは以下です。
- どの職種が狙えるか
- 年収は維持できそうか
- どんな企業に評価されるか
- 職務経歴書で何を強調すべきか
- 面接でどう説明すべきか
- 事業会社以外の選択肢はあるか
転職するかどうかは後で決めれば大丈夫です。
まずは、今の経験でどんな選択肢があるのかを知るだけでも意味があります。
複数の転職先を比較する
事業会社に興味がある場合でも、最初から事業会社だけに絞らないほうがいいです。
比較対象があるほうが、冷静に判断できます。
たとえば、
- 事業会社
- 社内SE
- 別のコンサルファーム
- SIerのPM・PMO
- SaaS企業
- フリーランスコンサル
などを比較してみると、自分が何を重視しているのかが見えてきます。
事業会社が合う人もいれば、実は別ファームのほうが合う人もいます。
「今の会社がきつい」と「コンサルを完全に辞めたい」は別問題です。
自分が辞めたいのは、今の会社なのか、今の案件なのか、コンサルという働き方そのものなのか。
ここを整理することが大切です。
事業会社への転職は、働き方を変える選択肢としてかなり有力です。
ただし、年収や仕事内容のギャップもあるため、勢いで決めるのはおすすめしません。
まずは、自分のITコンサル経験がどの職種で評価されるのか、年収を維持できそうかを確認してから判断するのが安心です。
まとめ:事業会社への転職はあり。ただし事前準備が大事
ITコンサルから事業会社への転職は、十分ありです。
特に、
- クライアントワークに疲れた
- 自社事業に深く関わりたい
- 働き方を少し落ち着かせたい
- 長期的に業務改善やIT企画に関わりたい
- コンサル経験を別の形で活かしたい
という人にとって、事業会社は有力な選択肢になります。
一方で、良い面ばかりではありません。
年収が下がる可能性がありますし、意思決定の遅さや社内調整の多さにギャップを感じることもあります。
「事業会社なら楽そう」という理由だけで転職すると、後悔する可能性があります。
大事なのは、勢いで動くことではありません。
まずは、
- なぜ事業会社に行きたいのか
- 年収はどこまで許容できるのか
- どの職種が自分に合うのか
- ITコンサル経験がどう評価されるのか
- 事業会社以外の選択肢はないのか
を整理することです。
ITコンサルの経験は、事業会社でも活かせます。
ただし、活かし方を間違えると、年収もキャリアも下げてしまう可能性があります。
今すぐ転職する必要はありません。
まずは、自分が選べるキャリアを知る。
そのうえで、今の会社に残るのか、事業会社へ行くのか、別の選択肢を探すのかを決めれば大丈夫です。
